2005年7月30日土曜日

最期の時に、もしも音楽を聴けるなら

 以前にも日記に書いたが、ラッセルが弾くヘンデルの組曲七番の『パッサカリア』がたまらない。正直、理論面・構成面ではやはりバッハほどよくできているわけではないし、派手に技巧的な演出があるわけでもない。だけど、同一の低音主題を一曲通じて繰り返し続けるパッサカリアという形式が醸す、表面的な旋律は変奏によって変化していっても根底を流れる主題は決して変わらないという輪廻の定めが、そのまま人生の悲哀の暗喩になっているように思える。いつの日か自分の命が果てた時、それでももし霊というものがあるとしたら、改めてこの曲を聴いてみたい。これまでのもう(認めたくはないが)30年近い人生の中で、音楽的な趣向は色々変わったり広がったりしてきたけれど、それでも人生の終点でこの曲を聴くことは例えその時の音楽的な趣向がどうであれ意味があるように思う。最期の時に、よほど心が腐っているのでなければ。それはきっと、シェイクスピアの悲劇にも似ている。

2005年7月29日金曜日

時の歩幅

 一週間、そしてまた次の一週間。時間が一足飛びに過ぎ去っていくように感じる。時が過ぎていく感覚は、確実に速度を増してきている。新潟にいた頃は、一時間一時間がコマ送りのように過ぎていった。大学の頃は大きく授業とRAINBOW-Staffの時間と部活の時間が、大体半日ペースで過ぎていった。社会人になってからは一日があっという間、日毎に時間がスキップするようになった。そして今は一週間。月曜から日曜まで、そしてすぐ次の週が始まる。時の歩幅は、確実に広がっている。この先、まだ広がっていくのだろうか。もしそうなら、きっとこの先の人生なんてほんの一瞬のことに違いない。ふと、そんなことを思った。

2005年7月25日月曜日

諦めの溜息

 平和な日曜の夕方にかかってくる仕事の電話は、正直ストレスがたまる。

2005年7月24日日曜日

関東地方にて震度5レベルの地震発生

 地震です。それは私が会社の自分の席でPCに向かって仕様書を作成しているときのことでした。瞬間、コンッと何かが何処かに当ったような音が聞こえます。すると次に、カクンとまずは小さく、ゆっくりと地面が揺れだしました。「ああ、地震だな」そう思ってオフィスの中央辺りで天井から下がっているガラスの垂幕が揺れるのを目で確認していると、改めてもう一度、今度はさっきのように小さな音ではなくもっと大きく、明らかに"衝突"したような衝撃が下から伝わってきました。ゴンッ、という鈍く重い音を合図に地面が大きく揺れます。会社にいた人間が皆動きを止めて、「地震だ」「大きいな」と口々に誰にともなく呟きます。しばらくは、30秒くらいでしょうか、かなり大きく揺れていました。とはいえ本棚が倒れるとかそういった被害もなく、せいぜいモニタの上に乗っていたペットボトルのおまけのフィギュアが落ちるとか、その程度の被害で済んだわけです。外を見ても平穏無事、目の前の首都高の陸橋が落ちるというようなこともなく、まるで何事もなかったかのように渋谷の街を人々は歩いていきます。数分後にはYahoo!ニュースに地震速報が上がってきました。当初は東京23区内は震度4との発表でしたが、なんと我が家のある横浜市港北区日吉本町は名指しで震度5!ウチはただでさえ山の斜面に無理矢理建てたような地滑りが怖い構造の上、下には地下水がプールのように溜まっているらしいので、それこそもう土砂崩れ上等、液状化いらっしゃいな素敵な立地です。震度5でそう簡単に鉄筋のマンションが崩れたりはしないでしょうが、本棚が倒れたりしたら厄介だなとか、ウィスキーの瓶が割れてたら泣けてくるなとか、そんなことを考えていました。大きな揺れが収まった後もしばらくはゆったりとした横揺れが続いているようで、モニタを見ていると少し船酔いしたような変な気分になってきます。会社にいた人間が一人家に帰ろうとしましたが、如何せん山手線を始めJR等電車が片っ端から止まっています。会社のエレベーターすら止まっています。それじゃどうしようもありません。我々は「いいじゃないか、ここまできたら会社に埋もれようぜ(苦笑)」等と笑えないジョークを飛ばしつつ、電車が動き始める19時半頃まで社内で仕事半分、雑談半分に過ごしていました。

 家に着いてみると、本棚や酒瓶はとりあえず無事で、洗って立てかけておいた茶碗なんかが下に落ちていた程度の被害で済みました。割れたわけでもないので拾ってそれで終わりです。まぁ、平和なものです。しかし震度5レベルの地震になると、揺れている間はなかなかスリリングなものです。

2005年7月20日水曜日

三連休+1

 三連休を京都で過ごし、そのまま名古屋に出て今日はそこで打ち合わせ。スーツと会議資料を持っての旅路はなかなか荷物が多くてしんどいものでした。今回の京都行きの目的はそう遠くない将来明らかにされるでしょうが、とりあえず今日は眠ります。おやすみなさい。

2005年7月11日月曜日

悩ましい編曲依頼

 クラギタの現四回生から今年の定演の有志合奏の編曲をしてくれないかというメールが届きました。今の四回生というと、私がAアン用に編曲した『亡き王女のためのパヴァーヌ』を二回生の時に弾いた世代でしょう。間接的にでも私を知っている、ほとんど最後の世代です。そんな彼らから編曲の依頼がくるのは個人的にはやはり嬉しいものです。元C技としての立場からは自分達で編曲しようという気概も持ってほしいなとは思うのですが(苦笑)。まぁまぁとはいえ今の時期に突然編曲の依頼が来るからには何か事情があるんでしょう。Aアンじゃないから譜面は合宿に間に合わなくてもどうにかなるのかな?昔と部の運営スケジュールがそう大きくは変わってないというなら、総会ももうすぐそこに迫ってますからねぇ・・・。

 何にせよせっかく後輩が依頼してきてくれたのなら、この忙しい中でもどうにかこうにかやってあげたいとは思うのですが、如何せん合奏形態やコンセプト等がまるでわからないので、その辺りまずはお話を聞かなきゃだなと思っています。曲はフォルクローレメドレーで『花祭り』~『灰色の瞳』~『サンフランシスコへの道』だそうで、私の中でも特に思い入れの深い曲の一つである『花祭り』は是非カッコよく編曲してあげたいのです。正直、今は仕事がハンパなく忙しいから受けるかどうかはかなり迷っているのですが・・・。

カウンタ設置

 ようやくこのページにもカウンタを設置した。PHPで自分で作るのも面倒だったので、レッツPHP!さんの「昨日今日カウンタ」を設定値だけいじって設置。PHPってインクルードが簡単でいい。小さなWEBプログラムをサクッと作るには確かにこの上ない言語なのかもしれない。この「昨日今日カウンタ」自体は「昨日・・・人、今日・・・人、合計・・・人」って感じで分けて表示できるのだが、そこまでいらないなと思い合計だけ表示。表示も画像でなくシンプルにテキストにして、スタイルシートで位置だけ合わせて作業完了。簡単だ。

2005年7月10日日曜日

前へ

 色々な話が少しずつだけど前に進んでいく。まぁ、地道にでも何でも、自分の人生は動いているのだなと思う。

Cragganmore - クラガンモア14年 1989 シグナトリー アンチルフィルタードコレクション






クラガンモア14年 1989 シグナトリー アンチルフィルタードコレクション
Distillery : Cragganmore

Years : distilled in 1989/04/18 and bottled in 2003/12/09, aged 14 years

Area : Speyside

Bottler : Signatory

Cask Type : unknown (hogshead)

Product : 46% vol, 700ml

Price : 3,900yen

Remarks : -



 数々の人気シリーズをリリースしているボトラー、シグナトリーの「The Un-Chillfiltered Collection」シリーズのクラガンモア。このシリーズは文字通り一切の冷却濾過を行わないのが特徴で、そのため寒い場所で保管したり冷たい水で割ったりすると色が白っぽく濁ることもある。試しに冷蔵庫でキンキンに冷やした水で割ってみたら見事に白濁してくれた。ボトルにも記述されているが、冷却濾過を行わないことでより一層ボディや香りの強いモルトに仕上がる。このシリーズはそんなに値段も高くなく、酒質も安定していいものが出てくるので人気が高いそうだ。何はともあれ大好きなクラガンモア。オフィシャルと比べてどのような違いが出てくるのか、非常に楽しみに飲んでみた。

 まず最初に思ったのは、オフィシャルほど香りが広がっていかないなということ。オフィシャルのクラガンモアはもう栓を開けた瞬間に軽く華やかな香りがパーッと広がっていくのだが、こちらはそこまで軽やかな性質の香りは持っていない。クラガンモア特有のベトつかないさらっと溶けていくような甘みの香りがより濃縮されて重くなり、どこか干しブドウやドライフルーツを思わせる枯れた濃密な甘みが加わっている。香りというのは濃厚になればなるほど足が重たくなって広がりにくくなるのかもしれない。とはいえクラガンモアらしい爽やかな草木のような芳香や、かすかな落ち葉のような枯れた香りも確かに感じられ、「ああ、やっぱりクラガンモアだ」と思わせる。収穫され積み上げられた葡萄が発するような、ちょっと酸っぱい甘さの香りもする。さすが最も複雑な香りを持つと言われるクラガンモアだ。

 口にしてみると、やはりオフィシャルよりも濃密になって、軽く口の中で溶けて消えていく和三盆というよりは、より主張の強いメイプルクッキーのような甘さと、オフィシャルにはないオイリーさがまず目立った。実際、オフィシャルと比べてかなり長いアシを持っている。この濃縮された甘みとオイリーさはアンチルフィルタードという仕上げ方が生み出したものだろう。とはいえ、その甘みも強く感じるのは一瞬だけで、すぐに嫌みなくスッと消えて余韻の中に入っていく。そして最後にはオフィシャルと同じ草木の香りを口の中に残して、意外にもあっさりと味も香りも消えていく。オフィシャルを太く短くしたような、そんな印象のモルトだ。まぁ濃厚と言ってもシェリー樽熟成のものなどに比べればスッキリしたものだが、ただ、個人的にはクラガンモアはここまでボディが強くなくてもいいかなと感じた。オフィシャルの非常に上品で洗練された味わいが、少しばかり粗野になってしまった気がする。これはこれでおいしいけれど。最後になったが、私が手にしたボトルはカスクNo. 974、387本中の179番だった。

2005年7月8日金曜日

七度目の七夕

 今年も七夕がやってまいりました。1998年以来、この雑記帳が迎える7度目の七夕です。ここ一、二ヶ月はかろうじて運営してる感が否めず、度々足を運んでくれている皆さんに申し訳ないばかりです。何にせよ一日も早く更新ペースと内容を安定させるよう、まずは頑張っていきたいと思いますので、皆さん、これからもよろしくお願いいたします。

 そしてちょうど去年の今頃に宣言したサイトの引越ですが、それはもう何とかして今月中に行います。何故なら今月一杯で今のサーバの契約が切れるからです(苦笑)。次の場所は既に用意はしてあるので、タイミング悪く死にそうな日々を送っている最中ではありますが、もう少し死にながら雑記帳の引越をしなきゃだなぁと。まずは一日も早く平和な日々が訪れるように、七夕の願いが叶ってくれることを祈るばかりです。ま、祈るだけでどうにかなるのなら・・・。

2005年7月6日水曜日

たとえ何もなくとも

 何はともあれ、少しは更新しないと始まらない。自分の中から外に何かを出力することがそれ自体苦痛に感じるとしても、結局はそうしないと何も始まらないからだ。元々は、そこが出発点だったはずだから。ただし、やっぱり何も出てこない。それは外に出す力が足りていないのか、外に出すものが何もないのか。どちらにしろ、あまりいいことではない。今年もまた、七夕が来る。